ご挨拶

 

六番町永井不動産相談所は、令和元年9月に東京都千代田区六番町に開業いたしました。

東京を中心に、首都圏で不動産を所有されている方や取得したいという方のサポートをしていきたいと考えています。

 

都内近郊における不動産環境は、東京で暮らす人々が増えるのにともなって、日々めまぐるしく変わっています。

相続税改正(基礎控除の減少)による対象者の拡大、個人向け不動産融資の変化(積極的から引締)、シェアハウスや民泊制度の拡大(法整備)、地方の空家問題と都心部の人口上昇(都心回帰)、震災復興・東京オリンピックを控えた建築費の上昇、訪日外国人増価によるホテル需要の増加、通信販売拡大と圏央道の開通による物流倉庫需要の上昇、生産緑地の指定解除(2022年問題)、都心の不動産開発活発化による移転・立退や相続発生による底地借地整理案件の増加など、ここ最近の不動産に関係する話題・ニュースとして、いくつか耳にした内容や直接的に関わりのあった案件等もあるのではないでしょうか?

 

平成も令和へと移り変わった今、スマートフォンの普及とSNS・各種アプリやプラットフォームの整備・発達により、いつでもどこでもリアルタイムに最新の情報を手にいれることが出来るようになりました。書店に行っても、一般のサラリーマン・主婦層の方から精通者が書かれている専門書まで、不動産に関する書籍があふれていますし、それを読まれた方のレビューを見ることも出来ます。行政や各調査団体、事業法人等が調査公開している統計データ等も広く普及し、取捨選択の判断が難しいほどに情報があふれています。

 

長い前置きになってしまいましたが、これだけ不動産分野へ多くの方が注目し、日々多くの情報が更新されていくなか、『親族で相続した不動産を整理しよう』、『不動産ビジネスを始めてみよう』と考えた時に、本当に自分が必要としている情報を教えてくれる場所、相談できる場所はどれくらいあるのでしょうか?

いざ相談先を探してみると実感されると思いますが、不動産の価値(資産性・収益性)について、真正面から相談できる場所というのは、実はそれほど多くはありません。取引・建築・法律・税金など、不動産を様々な切口から扱う相談窓口はたくさんありますが、その物件の「価値」という側面について、中立的・客観的・多角的・総合的に相談でき、助言を受けられる場所というのは意外と少ないのです。

その理由は非常にシンプルで、不動産の価値を把握する作業は非常に手間と時間がかかるため、それだけを主たる業務として行なうよりも他の関わり方を選択した方が仕事として成立しやすいからです。私自身もよく感じることですが、不動産の需要も活用方法も多面的かつ流動的なものですから、せっかく調査分析した結果も、社会情勢や人々のニーズに合わせて、時間とともに変化していってしまいます。常に「価値」を調べる・考える・判断するという状況にいないと、東京の不動産マーケットからは取り残されてしまいます。

 

そういった意味では、ある地域・ある分野に特化して、常に一定量の不動産物件を扱う地場の不動産業者様に経験値で勝る人はいないと思います。ただ、不動産は物理的(地域的)に広大でありながら、各物件ごとの個別性(物的・権利的)が非常に強く、また、①取引形態「売買・賃貸・開発・担保」、②類型「土地建物一体(自用・貸家)・区分建物・更地・借地・底地」、③種別(用途)「住宅地・商業地・工業地・移行地」等の組み合わせによる細分化も深く、これに景況感やマーケット動向、地域の変動という社会の時間軸も加わるため、担当者一人ひとりが経験値で対応できる範囲というのは、得意分野や類似案件に偏りがちですし、また、そもそも取引をまとめることを業務の主目的としている不動産業者様の場合には、直接的に取引に繋がる可能性の低い相談業務に割ける時間も少ないと考えられます。

 

昨今、不動産に関する様々なトラブルをニュースで目にしますが、その中でも多額の融資を受けて不動産投資を行ない損失を出してしまった方がよくとりあげられています。そういった方の行動パターンを見てみると、不動産の本質である「価値(資産性・収益性)」について、自分なりの検証を行なわずに利益相反関係になりうる相手側の話を都合よく理解してしまったり、不動産事業のリスクについて、中途半端な理解のままに専門家に相談せずに話を進めてしまったという状況が、その過程において見受けられます。不動産の取引に関わる時、「節税・融資枠・収入保証」等という言葉がよく出てきますが、それらは不動産の本質的な価値とは全く別の所にあるものです。数千万円~数億円という物件取引は、判断を誤るとその後の人生にとって重たい足かせとなりえますし、与えられた情報だけに振り回されて出してしまった損失は、調べ考え抜いた末に失敗してしまった場合に得られる経験値や教訓等に比べて、あまり意味をもたない価値の低いものになってしまいます。不動産投資に限らず、判断に迷った時、何か心に引っかかる・気になる点がある時には、一度足を止めて、その投資・事業・目的の本質について、助言をもらえる人に相談することが大切です。

 

「なぜ不動産のことを教えてくれる場所、相談できる場所がないのだろう」

そんな疑問に真正面からお答えしていきたいと思っています。

当相談所は、日々、不動産の価値を見極めることを職責として職人のように働き、そして学んできた自分だからこそ、この知識や経験を必要としている方々のお手伝いができるのではないのかと考え、開設に至りました。

 

令和元年9月 永井周一